海外ライブでたらめ紀行

サイバーパンクバンドPSYDOLLは、ツアー、CD販売、全てを自分達でこなす完全インディーズバンド。なのになぜか海外にご縁ができ、訳も分からないまま演奏しまくってきた。その必死なてなもんや道中を記録する。

前回英語話のいちばん最初にプリティシット事件をかきましたが、
今回もア(A)について。
アプリシエイトというコトバがプリティシットに聞こえたという
事件ですが、これは弁明すると、
みんなが発音してる言葉のなかに、どう聞いてもアが含まれてないんだよ。

 プリーシェィト。みたいな発音をします。
これは、なんだか米国の人の言葉の特性みたいです。
Appreciate のように頭にA アがくるときに、そのアがほとんど
聞こえないことが多い。

それでもう1つ、東京での、とある夜のPSYDOLLライブのあと、
ライブハウスでの話。
外国から来た連中は、なんか「逃げ足が速い」です。
去り際に「じゃあね」「またね」とかやるということよりは
交通を優先させることが多くて、終電がヤバイとなったとき、
風よりも早く去る。
というよか、気がついたらもういない。
ということが多い。

ところが、アメリカ人のライアンが私に捕まってるうちに
気がついたら終電逃してました。

「Oh shit! I'm bandand!」

ライアンが何度もバンダンド、バンダンドって騒いでる。
バンダンド、聞いたことない言葉です。ドってことは過去形なのか?
バンドされたという意味かもしれない。バンドされた。
くくられた???

いろいろ悩んだけどわからない。
「もっかい言ってみて」
「 bandand! shit!」
バンダンド、シット、バンダンド、シットと繰り返すライアン。
「書いてここに」
さらさらさら。怖い顔のままでスペルを書くライアン。
見ると、そこには。

abandoned と書いてあった。

「あああああっ!!アバンダンド!!!!見放された!!!!」
「YES,aBANDONED, SHIT!」


高校入試単語のいちばん最初に載っているabandon。
発音の頭にアはまったく含まれてませんでした。

テーマ:英語学習記録 - ジャンル:学問・文化・芸術

街に向かう。すんなり着く予定が、ちょっと道路が混んでいたため
街に着いたのは薄暗がりの頃。
St「ショッピングいってみましょ」
‥‥‥‥‥といっておきつつ全員がしょっぱなからゾロゾロと
漫画専門の本屋さんに入って行ってしまう。
漫画好きのさだめなのか。 
しばらくわいわい騒いで店内で店員さんも巻き込み記念撮影までした後、
再びストリートに戻る。

 それから数分後、店のドアの前で一行は立ち尽くしていた。
「ぜんぶ閉まってる‥‥‥」
とくに哀しいのはこのNekoiです。
なにしろシルバークロス、サイレン。
かっこよさそーーーーーーー!! なフェティッシュ&ゴスな店がいくつもあり、
それらがショーウィンドウのかっこいい服を見せつけながらことごとく
閉まっているのだから。
「ぐえーーーー」店の前で泣くNekoiをビデオで撮影するスティーブ。 
ほっとけよ!!
キムが「また明日もここに行きました!」
とか訳の分からない言葉でなぐさめてくれた。

 キムのケータイが鳴る。「あっドーモ。僕、ゲストお世話係です。
はいはい」なんて言い始めた彼に、
Nekoi「もしかしてアーロンさん?」 
キム「はい、アーロンさん」
やっと連絡とれた!
とりあえず電話で、明日の正午に会場内のディーラーズルームにて
ミーティングすることに決定。

 道すがら、突然ヘンなお店があった。
「なんだろう」
「電気のパーツ屋だ」
基盤みたいなものとか、コード、ダイオードといった「素材」が
こちゃこちゃと並んでいる。
日本だと秋葉原にそういう店がいっぱいあるけれど、もしかしてこの店が
トロント中のそういう電気素材を一手に引き受けているのだろうか? 
それはまあいいんだけど、店の前にテキトーな連中がこちゃこちゃたむろして、
こ汚ないモニターとかと一緒に座り込んでて通るの邪魔。
その連中のひとりは、プロティジーみたいな逆モヒカン。
「デジタルハードコアファン・トロント支部」って感じで
ちょっと印象に残ったです。

 いつの間にか夜の9-10時。
「もうこんな時間だ」「信じられない」
外はまだまだ薄暗がりといった感じ。
「しかたないから他の用事とかはまた明日・・・ごはん食べよう」
さすがのスティーブも疲れ顔である。
「どこに行こう」「チャイナゾーンの方は?」「それだ!」

 みんなで中華系の店がうじゃうじゃと並んでいる方角へと移動。
いっかにも「アジア食堂」的なベトナムレストランに入って食事。
ごはんの上に野菜、リブ、その他がもこもこ乗っているものに
ピーナッツの風味がきいた甘酸っぱいタレをかけて食べる。
うまい!
嫌いって人もいるかもしれないけど、私はこれはアリ。
それに、ベトナム料理って、さっぱりしてるかあぶり焼きとかが
中心みたいで、おもいのほかヘルシーなんだね。

 ここで合流ということになっていたらしく、食べている間にも
わいわいとさらに大量の仲間がやってきて、大食事大会に。
 おなかがいっぱいになりすぎて、せっかくダグが注文してくれた
ベトナムの春巻き、おいしいのに1個しか食べられない。
すいませんベトナム。

 気がつけばすっかり深夜。
全員ですかさず街角記念撮影。「はいいきまーす、せーの」
キム「サッポロイチバン!!」
なにがサッポロ一番なのか訳がわからないが、みんなも叫んだ。
「サッポロイチバン!!」

キムの日本語は始終むちゃくちゃで、韓国なまりの発音なので
日本人としては聞き取りやすいんだけど文法がぶっ壊れてて最高。
例えば、夜別れるときなんかも
「わったしーは、いえに、かえーりました!」と言って去って行く。
これからやる場合でもぜんぶ過去形なのがすごい。
これがほとんど私の英語といい勝負な感じで、すごい親近感をもってしまった。

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Category :  初ツアー・カナダ
tag : 
実際に自分の眼でみたナイアガラの滝は‥‥
‥‥‥すごかった。

 風景に対する感激を文章にできるほど詩人ではないので、
どうすごかったかは書けないけど。
感激を後々まで思い出す為に、何枚も写真をとったけど、それはあくまで
記念にすぎなくて、四角い枠がついてしまう。

そんな枠のない生ナイアガラは。すごかった。
 たくさんの人たちが大いなる光景にみとれ、記念撮影したりアイスを
食べたりしていた。
いろんな国の言葉が聞こえる。 
世界中から観光客が集まっている。 その意味がよくわかった。
 滝つぼを覗き込むと、フェリーにレインコートに身を固めた人がぎっしり乗って、
激流の中心部に向かっている。

「わっ、すごそう」
「なにもそこまで」
「でも苦行体験したい人っているよね」
上から観ている我々は気楽な感じ。
フェリーは滝に近付いて、しばらく止まり、そしてまたゆっくり戻って行く。

 そのうちucchiが別の方角の下の方にあるものを発見。
「あの岩の方に行くと、下のアングルから滝つぼが見れるんだ」 
人々が小さめの岩の頂きに、やはりレインコートを着て、てんてんと
立っている。
「あれ面白そう」
「フェリーよか命がけ感うすいし」
「あれだったら行ってみたいなあ」

 日本人チームで行く事になった。
ダグがおもり。
Nekoi「ダグありがとう」
ダグ「いやいいよ、俺も行きたいし」
ダグはあまり饒舌ではないし、日本語は話さないが、細やかな神経を
持ち合わせているいい人みたいだ。
喋るときも日本人が分りやすいように気を使ってくれる。

 4人でレインコートを受け取り、エレベーターにのって滝つぼに。
「寒い寒い」「冷蔵庫みたい」
ふるえながら滝つぼをやっと鑑賞。
風向きで顔に飛沫が飛んでくる。「ひゃー」
「冬には河が凍って、氷の橋ができるみたい」
「すごそう・・・だけど寒いだろうなー」

ぽかぽかとあたたかい地上に出ると、現世に戻って来たような錯覚を覚えた。

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カナダの朝が訪れた。と思ったらもう昼だった。
「スティーブ」
起こしにいくとダグがすごい眠そうな顔で現れた。
「うう、早起きだな。まだみんな寝てる」
仕方なくホテルの1階に降りて行き、「会場」になる場所を偵察にいく。
大きなホールを区切って、スタッフが長いテーブルをセッティング中だった。

「あ! タマラさんこんにちは」
スタッフに混ざってファンシイな中年女性。彼女が今回のコンベションの
主催者である。
タマラ「あらあらよかった、みんな無事ついたのね」

タマラさんはトロントの医療現場に従事する大変しっかりした女性で、家庭の
主婦であり、二人の子持ちである。
そのまっとうな歯車は、娘たちと観るようになったセーラームーンシリーズで
狂い始めた。
これは今まで自分が見ていた北米製のアニメとまったく違う。
リアルなドラマがあり、華麗な変身シーンがあり、華麗な戦闘があり、友情がある。
さまざまな日本のアニメの面白さを分かちあう仲間が増えに増えて、
ついにトロントを拠点とするアニメ・ノースは、北米でも屈指の巨大
コンベンションに成長してしまったのだ。

Nekoi「ねえねえタマラさん、アーロンさんはどこにいるんですか?」
タマラ「うーん、まだ家じゃないかな、来たら連絡しまーす
…あっそれはこっちへ置いて」
連絡といってもどこへ。スティーブは携帯を持っていないのだ。
とっさに迷ったがとりあえず会場を出る。

 スティーブが起きてきた。食堂でごはんを食べつつ作戦会議。
「これからナイアガラ観にいきましょ。あと、買い物も。
ファッションストリート、いきたいでしょ。」 
Nekoi「わーうれしー!」・・・
 いちまつの不安は、いつアーロンさんと出逢い、かつアーロンさんが用意して
くれた機材と出会えるのかということである。
でも、まあ不安がっていても仕方ない。
いまは遊ぶ!
 レンタルしたバンにPSYDOLL、千之ナイフ、アイロンキャットコンビ、キム、
みんなみんな乗り込んで高速を飛ばす。
運転はスティーブ。
 助手席のジョニー・キムはときどき日本語を話す。
とはいっても知っている単語を羅列して、言葉に当てはめて行くような感じで、
なにかとすぐ英語に戻ってしまうけど、とにかく気のいいやつだ。

日本人たち「キムはどんな漫画がすきなの」 
キム「ワタシは、・・・ヘンターイ。スキー」
ヘンタイというのは、日本の絵柄で描かれたエロ系の相称だ。
曲解されてしまい、ちょっとエッチな同人誌すべてが「ヘンタイ」と
言われていたりもする。
まーそれはいいとして、
キム「ブ・カケー!!
日本人勢「ぶっ‥‥‥ぶっかけ‥‥‥‥‥」
キ「はいはい。ブ・カケー!! スキ!!」 
日本人「‥‥‥‥‥はははは(力ない笑い)」
 高速の両側はなだらかな緑、どこまでも続く土壌に倉庫、家、会社、
そして果樹園等がパースをつけて流れて行く。
美しい光景に響くキムのブッカケー!!の声。 
改めてカナダの大自然の雄大さを感じた。

「わたしのりょうしん、かんっこーくじん。わったっしっは、かなあああーじあん。」
きのうと同じだじゃれを言っているキムに、スティーブが英語で突っ込みを入れる。
St「韓国よか日本の方がえらーいの!! 俺のお母さん日本人、
俺は半分日本人!! つまり俺の方がより、えらーい!!」
Nekoi「あっ‥‥‥あの、スティーブ(汗)」
キムもスティーブにやりかえす。
「日本えらくなーい! 大昔、日本の文化は韓国がつくってあげたの!
だからオレがエラーい!!」
St「えらくなーい! 韓国は日本に負けたでしょ、わっはっは! 植民地でしょ!」
キム「もう植民地じゃないもーん!!」 
Nekoi「やっやめてよぉスティーブ!! (ひや汗だらだら)」

日本国内では考えられないギャグを飛ばすスティーブと渡りあうキムに、
日本人たちはめまいすら覚えた。

予定よりもだいぶん遅れての到着になってしまった。
Loveless「着陸の時に飛行機の窓から宿泊予定のホテルが見えた。
このすぐ近くにあるみたい」
あいかわらずスマートなやつだ。

 ということは、タクシーとかバスでも行ける距離なわけで、
もしもスティーブを発見できなかったら自力でいこう。
そう多少覚悟を決めて迎えの人ごみを見渡したら、

スティーブが「わーセンノさんネコイさーん」と騒ぐ巨大な顔が
ヒョコッと眼に飛び込んできた。
「いたいたぁ。わースティーブごめんー」。

 スティーブはアメリカアイロンキャットの代表で、
コンベションでの私達の命綱でもある。
まーこの命綱はぶりんぶりんしたバネでできていて、
どこに飛んで行くかまったく謎なバネでもある。

St「よかた、よかたー。遅れて心配したー」。
「ごめんスティーブ。乗り継ぎに失敗して」
St「これはダグ。アイロンキャットのメンバーです」
ダグ登場。「はじめまして」
ちょっと濃いめの顔のナイスガイである。

 と、そこへ、いきなり
「おかえりカナダ!!」という声が聞こえた。
振り向くとなんか妙になつっこい切れ長の眼の東洋人が
ニコニコしながら一緒に歩いてる。

 彼は続けた。「わたしのりょうしん、かんこっくじん。
わたしは、かんこっくじんのかなーだじーん。おかえりかなだ!」
な・・・なるほど。
彼はジョニー・キム(金)という韓国系カナダ人らしい。

キム「わたし、あじっあ、じん。だけど、かなーだ、じん。 
わたし、かなあぁーじあん。」
St「だじゃれをいってるね」
「な・・・なるほど」
いきなりの愉快なキャラに戸惑いながらも笑みをもらす
日本人たちであった。

バスに乗ってホテルへ。
チェックインを済ませていったん部屋に入ったあと、さっそく
ホテルの近所のだだっ広いレストランで乾杯。
いかにもカナダといった感じの木造りのくだけたホール。
「なにがあるのかなあ」
「め、メニューが全部英語だ」突然の現実に眼を白黒させる日本人。
「だったらここでの名産ビール」
早くもucchi、Lovelessはビールに走っている。

全員「カンパーイ」 
キム「おかえりかなだ!!」

テーマ:音楽 - ジャンル:音楽

プロフィール

Nekoi PSYDOLL

Author:Nekoi PSYDOLL
電気轟音和製インダストリアルバンドPSYDOLLボーカル、キーボーディスト、マネージャー兼雑用係。本業はイラストレーターとか、いろいろ。趣味は重箱の隅をつつきまくること、人の人生をあれこれ詮索すること、かき乱すこと。良い意味でも悪い意味でも面白いことが大好き。
いっしょうけんめい書いていきますので、読んでいただけたら記念にどこかをポチッとしてね。

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